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エッセンシャルオイル(精油)とは

精油の基礎知識

アロマテラピーの主役である精油には、 私たちの暮らしに役立つ作用が詰まっています。 その性質や特徴を理解して、活用しましょう。

精油の特性

  • 強い香りがする [芳香性]
  • 空気中に放置しておくと蒸発す [揮発性]
  • 水に溶けにくく、油に溶けやすい [親油性(脂溶性)]
  • 光、熱、酸素などによって劣化する
  • 天然の化学物質である有機化合物の集合体

植物から抽出した 100%天然の 「精油」

精油(エッセンシャルオイル)とは、 植物の花、葉、果皮、根、種子、樹 脂、樹皮などから抽出した液体のこと をいいます。100%天然素材で、抽 出した植物によって独特の香りと効 能があります。有効成分を高濃度に 含有しており、空気中に蒸発する揮 発性のある芳香成分の集合体です。 「油」という字が含まれている精油で すが、「油脂」ではありません。天然 の化学物質である有機化合物が数 十から数百種類集まってできたもの で、それぞれの有機化合物の成分に は薬理的な作用があります。

植物が芳香物質を 分泌するのは どうして?

植物から香りがするのは芳香成分が含 まれているからですが、植物全体から香っ ているわけではありません。芳香成分は 特殊な分泌腺で合成されていて、油細胞 という小さな袋の中に蓄えられているの です。 「植物が芳香物質を分泌する理由は遠く へ種子を運んでもらうために昆虫や鳥を 香りで引き寄せたり、昆虫や鳥に食べられ ないように苦手とされる香りを発したりし ているから。つまり、植物は種を存続させ て生命を守り続けるために、自ら芳香物質 を作り出しているのです。

精油の作用とメカニズム

精油の香りによって心が安らいだり、ト リートメントをすることで疲労がやわらい だりしますが、芳香成分はどのようにして 心と体に作用しているのでしょうか。主に 下記の4種類のルートから作用し、嗅覚 以外は血液から循環しています。どのルー トからでも、有効成分が心と体の双方に 働きかけ、さまざまな効果をもたらしてくれ ます。

嗅覚から脳へ

芳香成分が鼻に吸い込まれると、鼻の奥の上部に ある嗅上皮という粘膜に付着し、嗅細胞から出ている嗅毛(繊毛)に受容されます。その情報が電気的信号(インパルス)に置きかえられ、嗅球を通って大脳辺縁系の扁桃体や海馬、視床下部に到達し、心身に働きかけます。そして大脳新皮質の嗅覚野にも届き、「におい」として認識されます。

呼吸器から血液へ

フェイシャルスチームで吸入したりするときのルートです。呼吸をして芳香成分が肺に入ると、肺胞 という組織から血液に入ります。その成分が血液によって体内をめぐり、さまざまな効果を発揮。最終的には肝臓で分解されて尿や汗、呼気として体外に排出されます。また、気管支から肺に入ると、たんを切り、せきを鎮める効果があります。

皮膚から血液へ

精油の分子構造は、小さく、油に溶けやすいため、皮膚の表皮を覆う皮脂膜や角質層でできたバリアーを通り抜けられます。そして真皮にある抹消血管やリンパ管に芳香成分が入り、血液やリンパ液に入って体内をめぐり、各組織に作用します。

消化器から血液へ

精油を食品に混ぜて飲んだり、直接飲用する方法で、一部の医師や、ヨーロッパの医療機関で治療として行われていることがあります。しかし、危険を伴うため、医師の指導がなければ、決して行っていません。

精油の抽出方法

精油の抽出方法には、もっとも一般的な水蒸気蒸留をはじめ、圧搾法、油脂吸着法、揮発性有機溶剤抽出法、超臨界流体抽出法と、主に5種類あります。この中から、芳香成分(例えば、水に溶けやすいか、温度が高いと分解する成分が含まれているかなど)によって、もっとも適した方法が選択されているのです。また、油脂吸着法や揮発性有機溶剤抽出などで採油された精油を「Abs.(アブソリュート)」といいます。